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2005年9月23日 (金)

法教育実践授業(第三時限)

新宿区立落合第二中学校での法教育の実践授業の第3時限(最終)の報告です。

第3時限 9月22日「契約が解消できる特別な場合」

特殊な事例をカードで提示します。

アンケートの電話に答えたら「景品が当たった」と営業所に呼び出されました。私は景品のポーチをもらった後、同じ営業所内で開催されているブランド財布の展示会に連れて行かれ「本来は10万円以上するが、今日なら特別に6万円でいい」と言われました。でも私にはそんな高い財布を買う意思はまったくありませんでした。しかし似合うなどほめられつつ熱心にすすめられ、断りきれないまま、3人に囲まれて説明され続けました。「終電も近いので帰りたい」と言うと、「こんなに熱心に勧めたのだから誠意を見せて」と言われ、部屋から出してもらえず、困って契約をしてしまいました。まったく不要で高価なものを買ったと後悔するばかりです。私は契約を解消できるでしょうか。

契約を解消できると思う人、できないと思う人、半々の挙手だったでしょうか。

契約は成立していますが、「部屋から出られない」「困った」があって、何かが十分に与えられていなかったのです。「何か」とは?(生徒に問いかけ)・・・「十分に考える条件・時間」

契約をするかどうかの意思決定をするときに、正しい情報が与えられなかった場合、十分に考えるチャンスが与えられなかった場合・・・このようなときには、足りなかったところを補うチャンスや情報が必要なので、みんなで足りなかったところを補う決まりを作りました。私には十分に考える時間が与えられなかったからもう一度冷静に考えるチャンスを与えようとして作られた制度を何と言いますか?(生徒に問いかけ)・・・・クーリングオフ制度

その他、消費者契約法の特殊な事例として家庭教師派遣を事例に特定継続的役務提供の場合の契約解消について説明をします。

そして身近な相談窓口として消費者生活センターや国民生活センターを紹介。ここで、相談窓口として司法書士や弁護士等の法律実務家の仕事を紹介することも考えられるでしょう。さらには、私たち司法書士が日々の相談業務の中で体験している実例を「生きた教材」として生徒たちに紹介をし、社会と教室とを結びつける役割を果たすこともできるのではないでしょうか?

まとめで、個人と社会とのかかわりのあるべき姿として、民法の原則を再度確認をします。

身の回りのあらゆることは、いちいち紙に書いて確認していないが契約によって成り立っています。お互いに自由な経済活動ができるためには、お互いに契約を守る責任があります。十分に考える時間やチャンスがあり、正しい情報も得られる状況にありながら、うっかり結んだ契約については、自分勝手な理由で契約を解消することはできません。無責任な契約ができることになると、自由な経済活動ができなくなるからです。みんなで暮らす市民社会には自由に対し責任があるのです。また、契約をするかどうかの意思決定をするときに、正しい情報や十分なチャンスが与えられない特別な場合、国や地方自治体によってこれを補う仕組みがあるのです。私たちが生活している資本主義経済の市民社会は契約を原則にして成り立っていること、日常生活のさまざまな契約は平等な個人が自由な意思に基づきながら行うこと、自分の自由な意思で互いに約束をし、対等な立場で法律上の権利と義務が発生すること、したがって今まで学習した契約(民法)の原則は、自由で公正な社会生活を営む上でごく常識的なものなのです。

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2005年9月22日 (木)

法教育実践授業(第二時限)

新宿区立落合第二中学校での法教育の実践授業の第2時限の報告です。

第2時限 9月20日「契約が解消できるとき、できないとき」

第1時限で学んだ「契約の原則」を確認します。契約が成立するのはどのようなときでしたか?契約書はお互い内容を明確に理解するために、文字にすると間違いがないので契約書を作ったのですね。・・・と

さて、本日のテーマに入ります。「このような時、契約は解消できるだろうか」いくつかのハプニングカードを生徒に配り、考えてもらいます。A 同じものを他店では新品で安く売っていたので契約を解消したい。 B うちに帰ったら、お母さんが同じものを買ってくれていた。2つはいらないので契約を解消したい。 C ブランド物と言われて買ったら偽物だったので契約を解消したい。 D 商品の代金を払ったのに品物を渡してくれないので契約を解消したい

それぞれに対する考えを発表してもらいます。その際、ヒントカード(考える視点シート)を参考にします。ヒントカードには、①契約は約束・・・契約した時点で、どちらかの意思が不完全であれば、意思が合致しないので契約は解消できることになる。②契約を守らせるか、それとも契約の解消を認めるかは、契約当事者の利益状況を分析して判断する というようなことが記載されています。ここには書けませんが、教諭は常に黒板に図式を書いて意思の合致という基本原則を生徒に確認をさせていきながら、生徒の答えに回答をしていきます。

まとめとして・・・自分の一方的な都合だけでは契約は解消できない。 自分が自由な選択の中でその商品を選んだのだから十分に考えて約束したものは守らなくてはいけない。                                      十分に考えて約束したのに、考える基本条件が違っていたら、約束にならない。 不十分、不完全な考えだから契約にならない。

契約の原則は私たちが暮らす社会の常識と同じ原則

原則として契約は解消できないが、例外的に様々な事情により契約が解消できる場合があることを学習しました。

そして、3時限目に続きます。

                                        

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2005年9月17日 (土)

法教育実践授業(第一時限)

法教育の実践授業が新宿区立落合第二中学校で行われております。

法務省法教育研究会報告書に出されました「私法と消費者保護に関する教材」にのつとり、永野薫教諭が中学校3年生の公民科の授業の中で実践しております。

第1時限「契約とは何だろう」 第2時限「契約が解消できるとき、できないとき」 第3時限「契約が解消できる特別な場合」の三コマの授業展開することによって、単元の目標とする①身近な経済活動に対する関心を高めるとともに、具体的な事例を通じて、契約成立の要件や、いったん成立した契約が例外的に解消できる場合について理解させる。②契約は、対等な個人の自由な意思に基づいて結ばれ、その結果、法律上の権利と義務が発生することを理解させる。③消費者が不利な条件のもとで契約を結んだ場合、後に契約を解消できる仕組みをつくるなど、国や地方公共団体が消費者を保護するための施策を実施していることを理解させる。  ということを主体的に学ばせようとする内容になっています。

第1時限が、16日に行われ、参観をしてまいりました。

まず、教室内のビデオ画面にイチローの映像が映り、教諭がイチローの契約金はいくらかわかるかな?と生徒に問いかけます。マリナーズは、11億円で彼の野球選手としての能力を買い、イチローはその能力を売りました。・・・これが契約です。さて、①ハンバーガーを買う②電話でピザの注文をする③CDを予約して買う④電車に乗るために切符を買う・・・と身近な題材をあげ、これらが契約かどうかを問いかけます。     

契約とは申込と承諾の意思の合致によって成立します。と教諭が説明。

契約書を作らせます。2人ペアで買主、売主の役割分担をし、何を、いくらで売る(買う)という契約のキーワードが大切なことを学んでもらいます。

そして、再度契約の成立時期はいつか、問いかけます。①はんこ、サインをしたとき②言ったとき③契約書に明記した日付から・・・のいすれか?

これらによって、日常の商品の売買が契約であることを確認し、売買契約の成立の要件を確認しました。

身近なところにも素材はあるのですね。社会とつなげ、自身が体験していることが教室の中で確かな知識として確認されるということは、まさに法教育が目指す体験的教育ということになるのでしょう。          

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