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2006年4月28日 (金)

初めての涙

私は長年、多くの多重債務者の相談を受け、救済手続きを行ってきました。今も、毎日のように相談者、依頼者の訪問を受けています。

多重債務問題は、法的手続きによる救済だけでは真の解決にはならないないかもしれません。これから先をどう生きるか、いかに生活設計をしていけるかが大事なのでしょう。そのためには、法的な視点だけではなく、生活全般、そして心理的なサポートをしていくことをすることが必要です。

昨日、破産手続きを終えた依頼者が事務所を訪れてくれました。一流大学を出て、一流企業でバリバリ働いていた彼は、私とほぼ同じ年齢です。それでも、「先生」と慕ってくれ、時々事務所に来て、話をしていきます。私と話すことによって、自分自身に力を与えようとしていたのかもしれません。仕事への決意や家族への責任、そんな話をしていきます。そんな彼が、マイホームも手放し、子ども4人と奥さんとの小さなアパートでの生活のスタートの報告をしにきてくれました。今は派遣社員として遠方の工場にJRで通いながら働いています。高校生の長男は何も言わずにアルバイトで稼いだお金を全部を差し出してくれるそうです。家族の力はすごいものです。そんな状態で苦しんでいるお父さんをみんなで励まし、なによりも常に父親としての尊敬をしている子どもたちはすごいと思います。

彼は、心からの感謝の言葉を私にくれました。そんな彼の心からの言葉が私の胸に強く響き、司法書士になって初めて依頼者の前で涙を流してしまいました。彼の苦しみをどれだけ受け止め、負担を軽くしてあげることができたのかはわかりません。初めて相談に来た当初は、予定時間に連絡もなく遅れた彼を強い口調で叱ったこともありました。それから、彼は約束を必ず守ってくれました。

司法書士は依頼者の人生の岐路に立ち会うことがある、時には人生を大きく左右する場面に関わる仕事をすることがある・・・と新人研修講師の時に話をしたこともあります。苦しい思いの相談者に応えてあげるには、相談を受ける私たちは精神的にも健康でなければなりません。元気を与えてあげなければなりません。

司法書士はすばらしい仕事だと私は確信をしています。市民のそばで、市民とともに歩む。そんな司法書士という仕事が大好きです。心からのうれしい涙を流すことができました。

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