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2015年5月30日 (土)

「現場」主義

私は、仲間とともに東日本大震災の発災当日から、「現場」で対応をしてまいりました。

「現場」にこだわり、今も「現場」に立ち続ける大先輩がいます。相馬市役所の加藤三郎司法書士です。平成23年4月初旬から関係士業の有志と相馬市役所内に相談所を開設、被災者の相談所の常設化を実現しました。あれから4年あまり、今も相談活動は続いています。

震災後私が相馬市役所に足を運べたのは、2週間後の3月25日でした。その時はまだまだ市内は混乱の真っただ中、沿岸部では行方不明者の捜索が続けられていました。観光で有名な松川浦の店や民宿は泥にまみれ、打ち上げられた船舶がそのままになっていました。そんな中、加藤司法書士に案内されて現地を視察しました。

司法書士が被災者に何ができるか。大先輩は、まずは、相談ができる場所を確保しよう、何を相談していいかわからない市民がほとんどの中、相談所開設に奔走しました。

今、相談件数が多くない中、毎日相談所が開設されています。県内外の司法書士が相談意支援に相馬市役所に足を運んでいます。そろそろ実態に応じた相談体制に変えていかなければならない時期かと思います。

私も毎月のように相馬市には足を運んできました。29日は、1相談員として相談所におりました。相談は面談2件、電話2件。原発賠償問題が1件ありました。

相馬市長は、市民の心のよりどころ、駆け込み寺的な相談場所が常にあいていることが大切だとの思いで相談所を開設してきました。震災後4年を過ぎ、市民の心はどうなのか、市民生活は落ち着いているようにも見えるが、果たしてどうなのか。

これからも「現場」に通いながら、現実を見極めたいと思います。

「現場」がすべて。

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2015年5月25日 (月)

会長職を退任しました

平成19年5月から務めておりました福島県司法書士会の会長職を退任しました。 4期8年間、東日本大震災も体験しながらの会長職でした。 多くのみなさんの支援があってこそできたことであろうかと思います。 以下、退任した総会での会長挨拶文です。

 本日ここに、第七十八回定時総会を開催するにあたり、ご来賓のみなさまがたのご臨席を賜りましたことに感謝を申し上げます。 森元福島地方法務局長におかれましては、日頃よりご指導をいただいております。今後、復興事業に伴う登記業務等の場面では、ふるさと福島のために、会員の総力を挙げて協力をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 内堀福島県知事におかれましては、県消費生活センター等への相談員派遣、県精神保健福祉センターや県教育庁との事業連携等にご配慮をいただいております。また、県の各審議会や委員会等へ会員を派遣させていただいております。引き続き、本会ならびに本会会員をご活用いただければと思います。 地元室井会津若松市長におかれましては、公務多端の折、ご臨席をいただきありがとうございます。地元会津支部会員とともに心より歓迎を申し上げます。 地域に密着して生きる私たち司法書士は、市町村との関わりを特に大切にしているところです。住民主体の町づくりのためにも、司法書士を活用いただければと思います。 菊池県公証人会長におかれましては、県内各地で会員がお世話になっております。昨年度は、公証人の先生との対談記事を福島民報、福島民友両紙に掲載する等、市民のための法的サービスの情報提供にも協力いただきました。 大峰県弁護士会長におかれましても、本会会員がそれぞれの地域で大変お世話になっております。司法制度の一端を担う職能となった私どもですが、まだまだ発展途上の部分があります。引き続きのご指導をお願いいたします。 そして、一昨日ご就任された橋本県土地家屋調査士会長をはじめとする関係士業の会長のみなさんらにもご臨席をいただきました。司法制度改革の中では隣接専門法律職種と位置づけられておりますが、より連携を深め、それぞれの専門的知見を活用した柔軟なワンストップサービスを各支部での相談会等でともに実践を重ねていければと思っております。  また、本総会には、県内各地から多くの会員のみなさんに出席をいただきました。会の主役は会員のみなさんお一人お一人です。様々な場面で会員のみなさんに力を発揮していただけるよう努めてまいりました。事業の成果、そして今後の取組みにつきましては、式典後の総会議事の中で、ぜひ活発な議論がなされますことを期待いたします。  さて、本定時総会に至るまでには、県内六つの支部総会が開催され、すべての支部におうかがいをしてお話をさせていただきました。そこでは、この広い福島県内各地で地域に密着して地域住民のために働く会員の姿をあらためて知ることができました。支部と本会の連携の重要性もより強く感じております。  昨年度は、司法書士法一部改正の議論が具体化しました。業務拡充の論点は将来的な課題となりましたが、あらためて、制度基盤を充実させるための法改正の実現のためには、私たち現場で働く司法書士が着実に実績を重ねていくことが大切なのだと会員のみなさんと向き合う中であらためて強く感じているところでもあります。私は、会員のみなさんの力を信じたいと思います。  そして、そのために適切な会員サービスを提供する、環境作りをするのが本会の役目、使命であるとあらためて強く認識したところでもあります。  司法書士は、登記制度の担い手として、また本人訴訟支援の担い手としての基盤を基に、法改正を経て、簡裁代理関係業務、成年後見・未成年後見業務、さらには財産管理業務と業務のウィングを広げてまいりました。今、幅広くなっている業務の遂行のためには、会員相互の協力連係が不可欠となっています。また、関係機関、関係士業のみなさんとの連携もより強化していかなければなりません。 私は、司法書士の強みは、各方面との「つなぎ役」ができる力を持っていることであると考えております。市民への法的サービスの「拠点」として、また「調整役」としての機能も備えた職能であると思います。その意味では、本日ご臨席をいただいたみなさまとの関係性の強化というものはより必要となってくるものと思い、先ほど本会との関わりを少しご紹介をさせていただいた次第でもあります。あらためてよろしくお願いをするところでもあります。 東日本大震災そして東京電力福島第一原子力発電所事故から五年目の歩みを始めました。この四年余りの時間はぴんと張りつめた空気の中にいました。多くの避難者を抱え、また未だ元の場所で事務所を再開できていない会員もいる相双支部のみなさんが日々被災者のみなさんと向き合い業務に励まれている姿には司法書士の魂を感じます。残念ながら避難先で倒れた会員もいました。悔しい気持ちでいっぱいであったろうと思います。その思いを私たちは引き継いでいかなければなりません。その相双方面の活動の拠点として「南相馬復興支援事務所」を平成二十四年七月に開設し、本年二月からは常駐会員を迎えてより地域に身近な相談所としての機能を備えることができました。 今、まだまだ震災のもつ裾野の広さと深さに届いていないところがたくさんあろうかと思います。被災者、原発被害者のそれぞれの思いに寄り添いながら、司法書士らしい立ち位置で支援活動を続けていきたいと思います。そのためには、多くの会員が事務所を離れ、現場へ、市民の中へ飛び込んで行くことが必要でないでしょうか。そして現場で感じたことを発信することにより風化を防止し、被災者支援への諸施策に法律家として被災者の声を届けることにも力を尽くしていかなければならないでしょう。 多くの支援者を引き続き受け入れ、このふくしまの地を学びの場として活用してもらい、福島の問題を全国の問題とすることも必要ではないでしょうか。 私は、震災後二度涙を流したことを思い出します。 震災後一カ月後に震災当時二七九名全員の安全が確認された時が最初です。 そして、震災の翌年に若い有望な会員が他県への移住を決したと報告を受けた時が二度目であります。他にも心を痛めることは多々ありました。震災後倍増した事務量に役員の皆さん、事務局の皆さんと汗をかきながら取り組んでまいりました。三度目はぜひ、福島が復興する姿を見て感激の涙を流せるように会員のみなさんと努力していければと願うところでもあります。 司法書士制度にとっては、今が正念場であると感じております。 市民のために生きる、福島のために生きる私たち福島県司法書士会員が力をわせて、ご来賓の皆様をはじめ、関係機関のみなさんと手を携えて前に進むことをお誓い申し上げたいと思います。 結びに、本総会の準備、運営に尽力をいただきました会津支部会員のみなさん、事務局職員のみなさんに心からの感謝を申し上げて私の挨拶といたします。

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